【2018年最新ランキング】国内・世界の広告代理店 売上げ・年収ランキング(総合からネット広告代理店、デジタルエージェンシーまで)

広告業界に身を置いている人であれば常識的なことでも、周りの人たちからするとよくわからないことだらけです。
その最たるものといえるのが、“広告代理店”という存在です。

広告はそこらじゅうで目にするけれど、広告において誰の何を“代理”しているのか?
漠然と給料をたくさんもらっているイメージがあるけど、その他のことはよくわからない、という方も多いのが実際です。

今回は改めて広告代理店とはどういったモノなのかを説明した上で、そもそもの日本の広告市場および内訳も纏めておりますので業界全体を俯瞰しながら業界動向についても解説いたします。

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■そもそも代理店とは

広告代理店とは、広告を出す側である“広告主”と広告を載せる側である“媒体社”との間に入り、広告枠の代理販売や広告の制作代行などを行う会社のことを指します。

もともとは新聞広告などの媒体枠を広告主に手数料をもらって購入するところから広告代理店の歴史はスタートしていますが、現在はそれに留まらず広告の制作や、さらには商品開発などから関わることもあります。

規模はさまざまで、一般の方でもよく名前を聞く「電通」「博報堂」などの超がつくほどの大手から、“街の広告代理店”といったような規模の小さめな広告代理店まであります。
最近では、インターネット広告を専門に扱う広告代理店も力を伸ばしています。

広告代理店は、

  • 総合広告代理店
  • 専門広告代理店
  • ハウスエージェンシー

の3つに分けられます。

総合広告代理店

総合広告代理店は、先ほども挙がった電通や博報堂などが該当します。取り扱う範囲が広いので、やはり大手が多くなります。
広告主の意向に合わせてさまざまな媒体や“枠”を提供していくのが特徴です。
広告を打ちたい商品やサービスがどのような形で露出すれば最も効果的であるかを検討した上で広告戦略を組んでいくことが可能になります。

専門広告代理店

交通広告や屋外広告、雑誌広告など特定の“枠”を販売しているのが専門広告代理店です。
総合広告代理店が広告主の側に立っているとすれば、専門広告代理店は媒体の側に立っている広告代理店といえます。

総合広告代理店のように媒体を跨いだ大規模なプロモーションには不向きですが、例えば「車両広告ジャックをやろう!」などと自社内で方向性が決まっていれば、交通広告の専門広告代理店に声を掛けたほうがより効果的な広告展開を、総合広告代理店に依頼するより比較的安価に行うことが可能です。

最近規模を拡大しているネット広告代理店もこの専門広告代理店であると言えます。

ハウスエージェンシー

特定企業の広告を専門に手掛ける広告代理店を指します。
その企業の子会社であることが多いです。
鉄道会社の多くはハウスエージェンシーを持っており、ジェイアール東日本企画や京王エージェンシー、メトロアドエージェンシーなどがあります。
もともとはハウスエージェンシーだったが後に他社の案件にも携わるようになった例としては東急エージェンシーなどが挙げられます。

このように規模も種類もさまざまある広告代理店ですが、では実際にはどのくらいの売上を出しているのでしょうか?
最新版のランキングを見てみましょう。

■広告代理店売上げランキング(国内)

お待たせ致しました。いよいよ広告代理店の国内ランキングを発表致します。

順位 会社名 売上高 種別
1 株式会社電通 1兆5,351億円 総合広告代理店
2 株式会社博報堂 6,587億円 総合広告代理店
3 株式会社アサツーディ・ケイ 3,520億円 総合広告代理店
4 株式会社サイバーエージェント 1,421億円 ネット広告代理店
5 株式会社大広 1,400億円 総合広告代理店
6 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 1,174億円 ネット広告代理店
7 株式会社ジェイアール東日本企画 1,052億円 総合広告代理店(ハウス系)
8 株式会社東急エージェンシー 954億円 総合広告代理店(ハウス系)
9 株式会社読売広告社 716億円 総合広告代理店(ハウス系)
10 株式会社オプト 640億円 ネット広告代理店)
11 株式会社セプテーニ 612億円 ネット広告代理店
12 株式会社アイレップ 580億円 ネット広告代理店
13 株式会社デルフィス 537億円 総合広告代理店(ハウス系)
14 株式会社電通東日本 471億円 総合広告代理店
15 株式会社クオラス 420億円 総合広告代理店(ハウス系)
16 株式会社電通九州 410億円 総合広告代理店
17 株式会社朝日広告社 397億円 総合広告代理店(ハウス系)
18 株式会社日本経済社 364億円 総合広告代理店(ハウス系)
19 株式会社日本経済広告社 315億円 総合広告代理店(ハウス系)
20 株式会社フロンテッジ 294億円 総合広告代理店(ハウス系)

出典元:【最新版】広告代理店 売り上げランキング(総合広告代理店からインターネット広告代理店まで) | 転職支援・人材紹介・求人情報のアドベンチャーズ

やはり、有名な電通と博報堂がトップ2という結果です。
長い間ずっと不動の順位を守り続けています。

とはいうものの、売上高をよく見てみると、電通と博報堂には実は2倍以上の差が開いていることがわかります。
日本の広告業界は電通が圧倒的に強く、その半分くらいの規模で博報堂が続き、さらにその半分くらいの規模でアサツーディ・ケイが続き、4位以降がさらにそれに続く、といった形なのです。

ちなみに、この上位20社の中に、ネット広告代理店が5社ランクインしています。
ここ数年で一気に順位を上げてきた5社です。
後ほど改めて解説しますが、日本の広告費において、近年インターネット広告費の占める割合が大きく増えています。
現在は5社ですが、今後このランキングの中で、ネット広告代理店がどれだけ増えて何位にまで上がるのか注目されるところです。

■そもそも広告業界の市場規模はどれぐらい?

広告業界

2013年のデータになりますが、日本の総広告費は『5兆9,762億円』となっております。

2009年(リーマンショックの翌年)に日本の広告費の目安となる6兆円台を割り込みましたが、2014年に6兆円台に戻し、2015年は6兆円台を維持しています。(2015年の総広告費は『6兆1,720億円

2012年からは4年連続のプラス成長になっていますが、プラスの主な要因はインターネット広告市場の成長にあります。上記図の推移でも分かる通り、4マス媒体に変わってインターネット広告市場が伸びており、単体で1兆円を超える市場まで成長しています。

尚、アメリカ・欧米諸国では既にインターネット広告がテレビ広告を抜いて1位になっていると言われており、日本においても、インターネット広告市場が更に加速度的に盛り上がっていくだろうと予想されております。

■広告代理店売上げランキング(世界)

また参考までに、広告代理店(グループ)の世界ランキングも発表致します。

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また参考までに、広告代理店(グループ)の世界ランキングも発表致します。

広告業界の世界ランキングはAdvertisingAgeのAGENCY REPORT 2016を参考に見ていきましょう。

世界ランキング第一位:WPPグループ

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イギリスのロンドンに本拠地を置く、世界最大の広告代理店グループ。ただし、税務上の理由により、登記のうえではアイルランドが本社となっています。

その規模はまさにグローバル企業そのもので、107か国に進出。積極的にM&Aをおこない、世界初の広告代理店『JWT』をはじめ、世界有数の広告代理店を傘下にしています。日本ではADKと資本関係にあり、株式の24.5%を保有するADKの筆頭株主です。

世界ランキング第二位:オムニコムグループ

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アメリカのニューヨークに本社を置くオムニコムグループ。2013年、ピュブリシスグループとの合併が発表され、WPPを超える世界最大の広告代理店が誕生するとみられていましたが、2014年に計画の撤回が報じられました。とはいえ、名立たる企業の買収・資本提携を進めていることに変わりはなく、日本でも東急エージェンシーと業務提携契約を結んでいます。

世界ランキング第三位:ピュブリシスグループ

フランス・パリの広告代理店。世界108か国で事業展開していて、グループ全体で64,000人もの従業員を擁しています。以前は『電通』との合弁会社を展開していたものの、現在は合弁関係が解消。先ほどご紹介したように、世界第二位のオムニコムグループとの合併計画が発表されましたが、撤回されましたね。日本の『ビーコンコミュニケーションズ』は、ピュブリシスの傘下です。

世界ランキング第四位:インターパブリックグループ

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オムニコム同様、ニューヨークに本拠地を置くインターパブリック。「マッキャンエリクソン」や「ドラフトFCB」などの広告会社が傘下に抱えられ、日本の「大広」とも業務提携しています。世界トップの広告代理店は、他国の企業も巻き込んで事業展開しているのがよく分かりますね。

世界ランキング第五位:電通イージス

日本の広告代理店の首位「電通」グループが、世界のTOP5にランクイン。国内ではいわずとしれた圧倒的シェアを保持していますが、世界でも124か国で事業を展開。2013年にイギリスの「イージスグループ」を買収したことで、その存在感をさらに大きくしました。

世界ランキング第六位:アバス

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フランスのパリに本社を置く大手広告代理店。世界75ヵ国で316もの拠点を持ち、日本法人であるハバスワールドワイドジャパンは都内にあります。武田薬品工業やノバルティスファーマ、バイエル薬品などの超大手製薬会社をはじめ、世界中の有名企業がクライアントとなっています。

世界ランキング第七位:アライアンス・データ・システムズ

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アライアンスデータシステムズは厳密にはクレジットカードの運営会社であり、広告代理店事業を担っているのは子会社のイプシロンです。ビッグデータを活かした一般消費者向けのマーケティングや、ロイヤリティサービスに強みを持っています。クリエイティブとマーケティングが両立可能な、まさに新しい広告代理店。

世界ランキング第八位:博報堂DYホールディングス

後述するように、国内では電通とともにトップシェアを誇る博報堂。こちらも世界の広告代理店ランキングでトップ10入りを果たしています。

世界ランキング第九位:IBMインタラクティブ・エクスペリエンス

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コンピュータ関連製品やサービスを提供するIBMは、広告業界でも際立った存在感を発揮。そんなIBMのコンサル部門から誕生したIBM インタラクティブエクスペリエンスは、革新的な体験を創造する取組みを強化しているようです。戦略・クリエイティブ・モバイルそれぞれの専門家が共同となり、リアルとデジタルの融合を目指しています。

世界ランキング第十位:デロイトデジタル

コンサルティング会社として有名なデロイト。サービス提供の際には、必ず戦略コンサルティングから課題解決を始めているのが特徴的です。このように、近年ではコンサルティングファームがデジタルマーケティングでのシェアを飛躍的に伸ばしており、深い知見や洞察をもった会社が今後もますます活躍していくことが見込まれます。

■世界のデジタル広告ランキング(エージェンシー単位)

グローバルランキングで目を引くのは、デジタル広告を取扱う企業が上位に食い込んできていること。デジタル広告の成長ぶりを示していると言っていいだろう。しかも、純然たる広告会社ではなく、ITが得意なコンサルティングファーム、ITサービスプロバイダーといった異業種が多い。つまり、デジタル広告の領域では、ITに長けた企業が広告会社の縄張りを脅かしているというわけだ。以下はデジタル広告業界の世界ランキングである(先のランキングとは違ってエージェンシー単位)。

デジタルで第1位、全体で第6位となったアクセンチュアは、米国の大手コンサルティングファーム。日本法人もあるのでお馴染みだろう。今はなき世界的な会計事務所、アーサー・アンダーセンのコンサルティング部門が独立した。ITを活用したコンサルティングでも定評があり、デジタル広告戦略のサポートなども手がけているというわけだ。日本では、デジタルマーケティングを手がけるIMJを買収して大きな話題になった。

全体で第8位のアライアンス・データ・システムズは、米国の大手ITサービスプロバイダーで、顧客ロイヤリティ、マーケティングなどに関するITサービスを提供する。

全体で第9位、デジタルで2位には米国のIBMがランクイン。IBMにとっても、デジタル広告関連事業のウエートが高まっていると見られる。全体で第11位、デジタルで3位のデロイトは世界最大の会計事務所グループ。本拠地は米国だが、日本ではデロイトトーマツグループとして活動し、デジタルコンサルティング部門もある(デロイトデジタル)。日本では、競合のPwCや野村総合研究所もPwCデジタル、NRIデジタルを立ち上げている。

第12位には新興国勢も顔を出した。ブルーフォーカス・コミュニケーション・グループは中国最大のPR会社である。

勢いに乗るIT系の新興勢力に対して、メガ・エージェンシーも手をこまねいているわけではない。たとえば、デジタル広告部門のグローバルランキングを見ると、ワンダーマン(第5位)、オグルビー&メイザー(第7位)といったWPPのグループ会社も上位に名を連ね、健闘している。

電通は、中国でのデジタル広告事業を拡大するため、2010年にはブルーフォーカスと合弁でPR会社を立ち上げている。また、ASEANでのデジタル広告事業基盤を強化するため、2012年にはシンガポールに電通メビウスを設立するなど、デジタル広告の国際展開に向けた布石を矢継ぎ早に打っている。さらには今年に入って、デジタルマーケティング専門の新会社、電通デジタルを設立し、CRMやカスタマージャーニー、ビッグデータ、AIといったIT分野への注力を表明している。

今後、総広告費に占めるデジタルの比率はますます上昇していくと見られており、「デジタル広告、あるいはデジタルマーケティングを制するものが広告業界を制す」と言っても過言ではない。デジタル事業の成否が、広告会社の社運をも左右することになるだろう。異業種も交えたデジタル広告市場を巡る覇権争いは、ますますヒートアップしている。

■広告代理店年収ランキング

続いては、これまた注目の、平均年収ランキングを見てみましょう。
「年収ラボ」というサイトが調べた広告業界の推定年収ランキングです。

順位 会社名 平均年収
1 電通 1,271万円
2 博報堂DYホールディングス 1,036万円
3 株式会社アサツーディ・ケイ 763万円
4 サイバーエージェント 720万円
5 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 574万円
6 オプトHD 571万円
7 セプテーニHD 562万円
8 クイック 558万円
9 現代エージェンシー 546万円
10 アキナジスタ 525万円

出典元:広告業界の年収・給料、売上高ランキング(年収ラボ)
※2014年7月~2015年6月の決算時データから推定したランキングからPR会社などを抜いたもの上位10社

「広告業界の人たちは1000万プレイヤーがたくさんいて…」というイメージをつい持ちがちですが、推定年収平均はこのようになりました。
さすがの電通と博報堂は平均が1000万円を超えていますが、3位以降は700万円台、500万円台と続きます。
意外ともらっているような、案外もらっていないような…。

■なぜ広告業界の売上や年収は注目されるのか?

下世話な気持ちいっぱいで売上や年収のランキングを見てきましたが、広告業界の売上や年収は他の業界に比べて特に注目されがちな印象があります。

もちろん、下世話な気持ちも大いにあるわけですが、もうひとつ理由として考えられるのは、広告費は景気の善し悪しを示す指標になっているから、ではないでしょうか。

広告を出すことは商売をする上で必要なものではありますが、景気が悪く懐具合が厳しい時に、まず縮小されるのは広告費です。
広告に出せる予算が捻出できないのと、広告を出しても売れないと思われるからです。
逆に景気が良くなってくれば、商売に弾みをつけようと広告費も増えていきます。

電通が毎年、前年1年間に使われた広告費の統計を発表していますが、その中で紹介されているここ10数年の総広告費の推移のグラフを見ると、景気と広告費の関係がよくわかります。

参考:2015年 日本の広告費・総広告費
(「(2)日本の総広告費と国内総生産(GDP)の推移」にある下のグラフが総広告費の推移です)

2005年から総広告費の計算方法が変わったため、増額していますが、7兆円規模まで増大していた広告費が、2008年・2009年で一気に下がっています。
これはリーマン・ショックの影響です。
さらに2011年は東日本大震災を受けて広告費は大きく下がりました。
テレビCMがACのものばかりになったのはまだ記憶に新しいところです。

そうして見てみると、2011年以降広告費は増加傾向にあります。
景気が上向きになりつつあると考えられるのではないでしょうか。

■就職人気でも常にランキング入りする広告代理店は、世の中を大きく動かしている

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。就活生に限らず、社会人からも大きな注目を浴びる広告代理店の各ランキングをご紹介しました。

テレビCMはもちろん、今後はインターネットでの市場も拡大していく広告業界。社会へ与える影響力も強く、上位企業は平均年収が高くなっています。各企業のHPや口コミを参考にしたランキングからも、規模の大きさをうかがえるのではないでしょうか?広告代理店の仕事に興味がある人、広告業界で働きたい人は、日常生活に隠れた”楽しいこと”を探す習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか?

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