【完全網羅】コンサルティングファーム 業界一覧

いろいろなわけ方がありますが、主に各コンサルティングファームの特徴別に業界を分類してみました。 どのような業界があり、どんなファームが活躍しているのかご覧ください。

アメリカやヨーロッパを拠点にワールドワイドな展開をしているファームが大半です。ただし各ファームのローカライゼーションも徐々に進み、現在は単に欧米の経営知識やコンセプトを輸入するだけでなく、より日本のクライアントが抱える悩みに密着した経営コンサルティングを手がけています。

特に以前は、大企業の経営者相手に綿密な分析をベースにした提案をプレゼンするといった華々しいイメージが先行していた感もありますが、現在は提案するだけでなく、クライアントの中に入り込んで戦略の実行面までサポートする泥臭い側面が大きいようです。

何よりここ数十年の間に戦略ファーム自身が、時々刻々と変わる“クライアントの求めること=マネジメントが抱える様々な経営課題の解決”を通じて自分自身を成長させ、戦略・組織・財務・IT等々といった個別論点を超えて対応できる力を身につけてきたことが実行面まで担保できるようになった大きな要因だと考えられます。

またそういった場で経験を積むことで、プロフェッショナル経営者人材が育ち、ターンアラウンドマネージャーを生み出し、起業人材を輩出するといった役割も無視できません。そういう意味では戦略系ファームという言い方でなく、プロフェッショナルマネジメントファームという表現の方が今や適切なのかもしれません。

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主な戦略系コンサルティングファーム

  • アクセンチュア
  • アーサー・D・リトル
  • ATカーニー
  • ベイン・アンド・カンパニー
  • プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー
  • ボストンコンサルティンググループ
  • コーポレイトディレクション
  • ドリームインキュベータ
  • マッキンゼー
  • ローランドベルガー

総合系コンサルティング 業界

社員数が数百~数千名規模を誇る総合系コンサルティングファームは、顧客の企業・事業戦略立案~IT戦略立案・システム化構想策定といったいわゆる上流フェーズから、システムインテグレーション(のPMO)やその後のシステムアウトソーシング、さらにはビジネス(業務)そのもののアウトソーシングといったフェーズまで、会社総体としてあらゆるコンサルティングサービスを幅広く手掛けています。

多くのファームでは、製造/流通業・金融業・官公庁等といったような各業界事業に精通した専門家を集めたインダストリーグループと、戦略や組織人事、ファイナンスやIT等々の各種コンサルティングサービスの専門家を集めたコンピテンシーグループが組織され、必要に応じて協業して当該業界の顧客企業の変革を一貫サポートしています。

またそのような一貫したサポートができるという点が、顧客にとってもまたそこで働くコンサルタントにとっても大きな魅力となっているようです。
プロジェクトの規模も比較的大きいものが多く、大手企業の基幹システムの入れ替えなどでは数百億円、のべ千人以上のコンサルタントが動員されることもあり、クライアントの課題によっては、グループ・メンバーファームと協業する場合もあり、例えば監査法人やFAS系のコンサルタントと一緒になって働くプロジェクトもあるそうです。

主な総合系コンサルティングファーム

  • デロイトトーマツコンサルティング
  • アビームコンサルティング
  • アクセンチュア
  • プライスウォーターハウスクーパース
  • クニエ(QUNIE)

ビジネス&IT系コンサルティング 業界

アクセンチュア(旧アンダーセンコンサルティング)とプライスウォーターハウスコンサルタント(旧ベリングポイント)は、かつてビッグ4(or 5)”と呼ばれる会計事務所の グローバルネットワークを母体にしていたために一般的には「会計系コンサルティングファーム」と呼ばれていたことがありました。

当初はIT戦略からシステム構想、システム導入などのプロジェクトが多く、1時代前までは彼らも合わせて「ビジネス&IT系」と呼ばれていましたが、現在ではトップ戦略から人事、財務関連など一気通貫で企業の課題解決を行えるファームになったことで総合系コンサルティングファームと呼ばれるようになりました。
総合系ファームについてはこちらからご覧ください。

さて、現在の「ビジネス&ITコンサルティング」業界ですが、前述した大手総合系ほどには規模・サービスは大きく広くないですが、独自の強み等を活かして、大企業だけでなく中堅~中小・ベンチャー企業へのIT戦略策定や業務改革支援等比較的上流フェーズのコンサルティング~システム導入支援を手掛けたりしています。

最近は日系・外資の大手メーカーや大手商社に、その豊富な顧客資産と高い技術力・情報ネットワークに魅力を感じたコンサルティングファーム出身者が参画して、経営戦略や新規事業企画、その他様々なコンサルティングビジネスの立上げ・推進を手掛けるケースが多くなってきております。
各社毎に事業領域・特色が異なってきますが、中にはITだけに留まらずベンチャー企業への投資事業や、コンサルティングとは別にリアルな経営を行っているファーム、独自のパッケージソリューションの研究開発・導入支援するファームと、その機動性や独立性等を活かしたユニークな取り組みを推進しています。

「ITコンサルティング」という本質の部分を究めつつ、「ビジネス&ITコンサルティング」の枠を超えたコンサルティングサービスを提供するファームが多くなってきており、時代とともにコンサルティングファームの形も変わってきています。

主なビジネス&IT系コンサルティングファーム

  • ウルシステムズ
  • スカイライト コンサルティング
  • フューチャーアーキテクト
  • ビジネスブレイン太田昭和
  • 電通国際情報サービス(ISID)
  • ケンブリッジテクノロジーパートナーズ

シンクタンク系コンサルティング 業界

シンクタンクと聞くと、「経済調査?」という印象を持たれる方も多いかと思いますが、経済調査は主業務ではありません。

主要シンクタンクの多くは ①経済調査 ②官公庁向けのリサーチ ③ITコンサル ④マネジメントコンサル という4つの部門を持っています。その中で ③ITコンサル ④マネジメントコンサルといった民間企業を対象としたコンサル部門に力を入れているところが多いです。

また「研究活動をしている?」という印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、大手のシンクタンクでは、コンサルティングファーム同様、クライアントからフィーをとって業務を行っており、研究活動をしているわけでもありません。

高度なノウハウ、見識をベースにクライアントの問題解決を支援しています。「シンクタンクは大学院卒でないと入れない?」これもよく聞かれる質問ですが、新卒は大学院卒を中心とした採用を行っているところが多いですが、中途採用ではコンサルファーム同様、学卒でも全く問題ありません。 ITコンサル部門はアクセンチュアなどの外資IT系コンサルファームやSIベンダーなどと競合関係にあります。

マネジメントコンサル部門では、経営戦略立案、マーケティング、新規事業戦略、業務改善、組織人事など幅広い分野にわたってコンサルティングを行っており、それぞれの分野で、外資戦略系コンサルファームや外資組織人事系コンサルファームと競合関係にあります。

特徴としては、大手グループ企業のチャネルを使って営業を仕掛けたり、そこから案件があがってきたりするなど、営業活動を組織的な仕組みとしてバックアップしてもらえる点にあります。比較的若い方でもこのチャネルを活用することで、自分で関心を持っているテーマの案件を受注することも可能です。

代表的な会社としては、野村総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(旧:UFJ総研)、日本総研、NTTデータ経営研究所などがあります。

主なシンクタンク系コンサルティングファーム

  • NTTデータ経営研究所
  • 富士通総研
  • 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング
  • 野村総合研究所

医療・ヘルスケア系コンサルティング 業界

医療、福祉などのヘルスケアの分野では、少子高齢化社会の到来、医療技術などの目覚しい進歩、独立行政法人化、医療制度改革など、とりまく環境が大きく変貌しつつあります。
その中で、大学病院、民間病院、介護保健施設、医薬品・医療機器メーカー、バイオベンチャー、臨床・非臨床試験受託企業、などの経営基盤を総合的に強化する専門的なコンサルティングを提供しています。

病院支援・医療コンサルティングファーム

医薬品メーカなどに対してポートフォリアの最適化、ブランド管理と新製品の上市(市場に出すこと)・管理・MR(メディカル・リプレゼンタティブ:医薬品メーカーの医療情報担当者)の営業効率化、マネージドケアと一般医薬品の管理、投資収益率の向上と高品質のヘルスケア提供といった、コンサルティングやソリューションを提供しています。

病院経営へのコンサルティング

病院へのIT導入、病院・クリニックのM&A、医療法改正への対応、マネジメントの効率化まど、個人病院から総合病院まで幅広くサービスを提供しています。

最近では、医師、看護師、薬剤師、IT専門家、病院経営者、医療経済学者で構成されたプロの頭脳集団を集め、机上の理論ではなく、戦略的実証分析を基にコンサルティングを行う会社もでてきました。

主な医療・ヘルスケア系コンサルティングファーム

  • アルティディアグループ
  • KPMGヘルスケアジャパン
  • ヘルスケアシステムズ
  • グローバルヘルスコンサルティング
  • IMS Japan
  • CDIメディカル

国内独立系コンサルティング 業界

中小企業を対象としたより実践的なコンサルティング業務を軸とし、生産性向上や品質管理など現場レベルでの競争力増強に強みを持っているところが多いです。

また人材育成に関する研修カリキュラムや出版物などのパッケージ商品を持ち、経営者や管理者に対する人材育成にも力を注いでいます。

顧客は中小企業が中心なので、若いコンサルタントでも直接社長と話す機会や、単なる提案に留まらず実行支援まで入り込んで支援するケースも多く、中小企業診断士を取得して将来独立を目指す人には実践的な良い経験がつめる環境です。(比較的パラレルに複数プロジェクトを回すことが多いようです)強みのある業界的には小売・流通が多いです。

代表的な会社としては、船井総合研究所、タナベ経営、オーディーエスなどが挙げられます。

監査法人系コンサルティング 業界

監査法人と聞くと、主に大企業の会計監査を行っており、財務諸表が適正に作成されているかどうかをチェックをする監査業務をしているのでは、と思っている方も大勢いらっしゃるかと思います。
最近では、いわゆる4大監査法人「トーマツ」「あずさ」「新日本」「あらた」を中心に経営コンサル、ITアドバイザリー、株式公開支援業務、M&Aアドバイザリー業務、金融機関に対するビジネスプロセス改革、セキュリティ・リスクコンサル、IFRS導入支援、PPPなどの公共関連コンサルなどの非監査業務も行っています。
上記、4大監査法人のそれぞれはグローバルに展開する大手総合系ファームのメンバーでもあり、母体となるコンサルティングファームのコンサルタントと連携してプロジェクトを進めることもあります。
また、中規模の監査法人においても上記のようなコンサルティングサービスを提供しており、小規模においても税務会計コンサル、財務アドバイザリーなど監査だけに留まらず、日々変化するクライアントニーズに応えるため提供するサービスも幅広く展開しています。

企業再生・事業再生系コンサルティング 業界

昨今の企業の取り巻く環境は複雑化、高度化が進み、長期のデフレ、為替の問題などで変化やリスクへ対応しきれないために業績不振に陥る、または資金不足に悩むなどのケースが見られます。
そこで活躍するのが事業再生系コンサルティングファームです。ほとんどのファームでは企業内部まで入り込み、金融債権者やステークホルダーの間に入って再生サポートをしたり、実際にその企業内での肩書きでハンズオンで業務改善、事業再生のコンサルティングを行っているところもあります。
また、業績改善や財務再構築にとどまらず、詳細なデューデリジェンスによる実態把握や、資産売却、事業再編など経営課題に対する解決策をワンストップで提供するファームも存在しています。
財務・税務関連のコンサルティングも多いことから会計士出身者や、戦略・マネジメントコンサルティング出身者を歓迎するファームが多いです。

ITベンダー&事業会社系コンサルティング 業界

ソフトウェア、ハードウェアの開発競争の激化・低価格化等により、メーカーやベンダーは自社製品の性能や値段だけで差別化を図ることが困難になってきました。そのため、これら以外の付加価値として、”サービス”特にコンサルティングに今後の発展の活路を見出そうとする会社が多くなってきており、大手に限らず相当数のハードウェアベンダーやソフトウェアベンダー、また大手商社等もコンサルティングに力を入れ始めています。

最近は特に日系・外資の大手メーカーに、その豊富な顧客資産と高い技術力に魅力を感じたコンサルファーム出身者が参画して、経営戦略や新規事業企画、その他様々なコンサルティングビジネスの立上げ・推進を手掛けるケースが多くなってきております。

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