【必読】お通夜に不可欠な香典、ルールと金額の相場があるって本当?

ある程度の年齢になれば、そして社会経験を積んでいれば、誰しも「大切な人の死」に直面するもの。当然、お通夜にだって出たことがある、という人が多いはずです。そんなお通夜に欠かせない香典。あなたはルールと相場について、ちゃんと知っていますか?「ちょっと知らないかも」という人は多いはず。一緒に勉強しましょう!

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ある程度の年齢になれば、誰でもお通夜は出るもの

最初に質問です。「あなたは、誰かのお通夜に出たことはありますか?」この質問に「ノー」という人はあまりいないかもしれません。つまり、ある程度の年齢に達している人なら、ご家族、お友達、会社関連の方が誰も亡くなっていないということはレアなケースです。

また、「うーん、誰も亡くなっていないし、今、命にかかわるような病気の人もいないし…」という人も注意が必要です。人間、何が起こるかわかりません。私の周りでも、「会社の同僚の方がニュースにもなるレベルの事故で突然亡くなった」という衝撃的な話がありましたから。

さて、一般に、故人を送る儀式=葬式はお通夜(通夜式)と告別式から構成されます。お通夜、というのは正確には仏教式の場合に用いられる言葉です。キリスト教の場合は通夜の祈り(カソリック)もしくは前夜式(プロテスタント)、神道の場合は通夜祭といいます。

しかし、日本の葬儀はほとんどが仏教式で行われるので、以降においてもこのお通夜という言葉を使いたいと思います。

お通夜、というだけあって、夕方から夜にかけて儀式が行われることが多いです。告別式は火葬場の開場時間の関係もあって昼に行われることが多いため、社会人の人ともなれば、夕方に行われるお通夜で挨拶をする、ということが一般的ではないでしょうか。

そこに欠かせないのが香典。そう、乱暴な言い方をすれば「お持ちするお金」のことです。

お通夜に欠かせない香典、そもそもどんな意味がある?

では、香典にはそもそもどんな意味があるのでしょうか。これは、もともとは仏教に由来する言葉であるとされています。つまり、仏壇にお供えするお香を指している、ということです。事実、昔は誰かが亡くなると、その人の冥福を祈って、お香をお供えする、というのが一般的でした。

今でも、お通夜や告別式で行われる「焼香」という儀式にその由来は残っています。 また、このような意味もあるとされています。つまり、「何もできなくて申し訳ないから、せめてお金は出させていただきたい」という意味です。

誰か親しい人の葬儀を経験したことがある方ならわかると思うのですが、葬儀の準備というのは本当に骨が折れるものです。次から次へと決めなければいけないことが多い、人はひっきりなしにやってくる…大切な人が亡くなったショックに加え、あまりのタスクの多さに終わったあと寝込んでしまう人も多いといいます。だからこそ、「お手伝いできない分、お金だけは」という意味も込められているのです。

より、現実的な問題もあります。それは「葬儀はとてもお金がかかる」ということです。2010年のデータになりますが、日本消費者協会の「第9回葬儀についてのアンケート調査」によれば、過去3年以内に身内に葬儀があった人がかけた葬儀費用の全国平均は、1,998,861円。約200万円ということですね。

もちろん、どのような形式でやるか、誰を招くかによって葬儀の費用なんて変わってきますので、一概に「葬儀はお金がかかる」と決めつけることもできません。しかし、遺された人にとっては、せめて葬儀費用、そして、そのあとの生活の足しになるものがあれば助かるもの。香典にはそういった、「遺された人を助ける」という意味もあるのです。

渡すときのルール

では、そんな香典。渡す側にもちゃんとルールがあります。どこまで知っていますか?これを書いている私も完璧には知らなかったので、この際、一緒にお勉強しましょう!

その1 封筒のルール

まず、香典はお金をそのまま渡せばいいってものではありません。ちゃんと専用の封筒=香典袋に入れる必要があります。文房具屋、コンビニエンスストアなどに行けば売っているので、「手に入らなくて困る」ということはないでしょう。

問題はそのあとです。「何と書いてある香典袋を買っておけばいいのか」ということ。実際にお店に行ってみてみればわかることだと思うのですが、一言に香典袋と言っても、いろいろな言葉が書いてあるのです。

あの言葉の違い、実は、宗教ごとに決められた書き方があるからだということは知っていましたか?「この宗教ならこの言葉」ということをまとめてみました。

・仏教:御霊前、御仏前、御香典
・キリスト教:御霊前、御花料、弔慰料
・神道:御霊前、御玉串料、御榊料
・その他新興宗教、無宗教:御霊前

これを見てみると、オールマイティに使えるのが「御霊前」ということになります。先方の宗教を事前に確認して香典の封筒を用意することができればベストです。わからないときは「御霊前」にしておけば無難かもしれません。

ただし、浄土真宗の場合は「御仏前」(「亡くなった人は、死後すぐに仏になる」という考え方から)、プロテスタントの場合は「弔慰料」(「儀式は亡くなった人のためではなく、亡くなった人と深い交わりがあった人のためにされるものである」という考え方から)を用い、「御霊前」を使うと失礼に当たる、という話もあります。

「自宅に電話を掛けるとご迷惑かも…」と思うなら、葬祭会場に電話したり、お寺や教会の情報を調べたりするといいかもしれません。そうすれば、宗教・宗派はたいていわかります。理由を聞かれたら「香典袋を用意したいけど、表書きがわからなかったので」といえば大丈夫です。

その2 名前の書き方のルール

さて、封筒には誰が渡したかわかるように、名前を書くことになります。このときに気を付けてほしいポイントは「薄い墨で書く」ことです。これは「悲しみで涙を流しているので墨が薄くなる」という意味もあります。

可能ならば、薄い色づきの筆ペンで書きましょう。文房具屋で売っています。そして、水引の下に、自分の名前をフルネームで書きます。また、水引がある面の裏や中袋に住所や氏名を書く欄がある場合には、自分の住所と名前を書いておきましょう。

会社経由でお通夜に参列する場合、香典を連名で出す、というケースも考えられます。その場合のマナーについても覚えておきましょう。まとめるとこうなります。

・3名までの場合 目上の方から目下の順で、右から左へ名前を書く。その上で、中袋に全員の住所、氏名を書くのが一般的。上下関係がない場合は五十音順でも良い。

・4名以上の場合 表書きには代表者(団体名)だけの氏名をフルネームで書く。その氏名の左側に、「外一同」と、氏名の文字よりもやや小さめの文字で書く。そして中袋、または別紙に全員の名前を書く。このとき、個別の金額を書いてもかまわない。

その3 その他のルール

香典袋のお金の入れ方にも、実はルールがあります。大まかな部分だけ説明します。ポイントは次の3つです。

1)お札の向きを揃える 3千円、5千円など複数の枚数のお札を入れることになる場合、お札の向きは揃えましょう。

2)新しいお札は用いない いわゆる「ピン札」は用いないほうが無難です。「亡くなるのを待っていました」という意味にとられてしまうからです。どうしても手元に新札しかない場合は、数回折ってから広げるといいでしょう。

3)お金を中袋に入れたら、外包で包む まず、外包を開きます。内面が表にした状態で、中央に中袋を置きます。このとき、背面が表に出ている状態にします。左、右の順で外包みをかぶせ、下、上の順で包み終えます。そして、水引が別になっているタイプの香典は水引を正しい方向にかぶせて終了。

これらのポイントを守れば大丈夫です。また、香典を持参するときは袱紗に入れて持っていきましょう。そう、結婚式などでご祝儀を包んでいく布です。ちゃんと持っていますか?
突然のことで用意している暇がなかった!という場合は仕方がありませんが、香典袋をそのまま持っていくのは失礼にあたるとされています。

余裕があるときに袱紗は準備しておきましょう。紫を選べば、結婚式でも葬式でも使えるとされています。大きな文房具屋や東急ハンズ、ロフトなどのバラエティショップ、和装小物を扱うお店で売っています。アマゾンや楽天など、通信販売でも買うことができますよ。

で、金額はいくら包めばいいの?

さて、香典のルールについてまとめたところで、より現実的な問題に入っていきたいと思います。それは「いくら包めばいいの?」ということです。

故人との関係、あなたの年代によって変わってくる

金額のルールについておおざっぱに言ってしまうと、「亡くなった人=故人との関係によって変わってくる」ということが言えます。そこで、ある程度のカテゴリーを分け、それに従って相場を示してみました。

なお、香典の相場は送り手であるあなたの年代によってもまったく違ってきます。すべての年代をカバーすることは不可能なので、あえて今回は「30代」とさせていただきました。

<家族、親族>
・祖父母 10,000~30,000円
・実親(父、母) 50,000~100,000円
・義親(義父、義母)50,000~100,000円
・兄弟、姉妹 50,000円
・おじ、おば 10,000~20,000円
・その他の親族(いとこ、甥、姪など)3,000~20,000円

<会社関係>
・上司本人 5,000~10,000円
・上司の家族 3,000~10,000円
・同僚、部下本人 5,000~10,000円
・同僚、部下の家族 3,000~10,000円

<友人、知人関係>
・友人、知人 5,000~10,000円
・友人、知人の親 3,000~10,000円

<その他>
・学生時代の恩師 3,000~10,000円
・隣近所の人 3,000~10,000円
・仲人 10,000円

大まかに言ってしまえば、家族、親族以外の場合は1万円が上限、と言っていいでしょう。会社関係、友人知人関係、その他の関係の場合、他の人と話し合って「大体いくら位包むか」ということを決めることも珍しくありません。1人だけ多く包んでいたり、逆に少なく包んでいたり、というものも気まずいので、可能な限り連絡を取り合いましょう。

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大切なのは、故人を心から偲ぶこと

ここまで、香典のルールと金額について書いてきましたが、何よりも大切にしていただきたいことを書いて、文章の締めとしたいと思います。それは「故人を心から偲ぶこと」です。

人が亡くなるのは本当に悲しいし、やりきれません。私も人生で何度か「大切な人の死」に直面しているので、そのことはわかっています。本当に大切なのは、香典を出してその人との関係を終わらせることではなく、折にふれてその人のことを思い出し、「●●さんのためにも頑張ろう」と思うことではないかと感じています。

亡くなることは終わり、ではありません。亡くなってもその人との縁は、自分が生きている限り続くのです。だからこそ、悔いのない送り出しをしたい、という気持ちで香典をお出しできるといいですね。

※本記事は一般的または筆者個人の調査による情報です。適用法令等の改正、前提事実や個人状況の違いおよび変化によって、掲載内容と実際の結果が異なってしまう可能性があります。
従って本記事の掲載内容については一切の責任を負いかねますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。

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